ーー〈eseence:〉に通われる以前のお写真を拝見すると、現在のティッツェさんがとても華やかな印象になられていることが分かりますが、ご自身でも変化を実感されるような出来事はありましたでしょうか。
ティッツェ 幸子(以下、ティッツェ) 服にもメイクにも無頓着で、ずっと気にしない人だったんです。高城さんに「人前に立つ人はすごく見られています!」と言われても「そうなんですか」と。メイクを季節ごとに変えるなんてことにも興味がないし「変えちゃったら前のシーズンのものがもったいなくない?」なんて思っていたんですけど、高城さんの言う通りに始めてみたら、だんだんと楽しくなってきて。
高城裕子(以下、高城) なぜ季節ごとのメイクをするのかというと、自分の魅力の表現の幅を知っていただきたいからなんです。トレンドに合わせて何をしようということは一切ないのですが「あなたと季節をかけ合わせたらこんな表現が出来る」という。そこに個性や骨格、現在の状況などを加味した上で、色や道具も提案させていただいています。
ティッツェ 高城さんから見たときの違いをつぶさに把握できているわけではないかもしれませんが、教えてもらうと確かに違う気がするんです。顔とメイクが決まったところで、服の着こなしについても相談させていただいて。
高城 幸子さんは、コーチングビジネスの経営者の方です。ご自身が主催するコミュニティでイベントを開催されたんですよね。
ティッツェ 森にあるコテージでの、カジュアルなアウトドアといった雰囲気のイベントで。普段、先生という立場なので、それなりに小綺麗にはしていますが「アウトドアだし、フリースでいいかな?」と話したら「いいわけないですよ!」と(笑)。コットンワンピースを選んでいただいたところ、参加者のみなさんに女神だと言っていただきました。
ーーおお!本当によかったです(笑)。
ティッツェ みんなの夢を崩さなくてよかった(笑)。
高城 アーティストの現場だと考えてみたら、フェスでお客さんはアウトドアの格好をしていても、出演者は衣装でステージに立つわけで。自分のお客様に対して自分をどう見せるか、存在感で心を惹きつけていただきたかった。
ーー〈eseence:〉にはどういったきっかけで通われるようになったのでしょうか。
ティッツェ 高城さんと同じビジネススクールに通っていて、そこでは月に一回勉強会があったのですが、ある時、その中のメンバーに〈eseence:〉ですごく変わった人がいて。自分の変化にも嬉しそうで。そのうちに、この人も、この人もと、素敵になった人が増えていったんです。そんな人を何人も見ているうちに気になってしまい、それで私もと、連絡をさせていただきました。
ーー初回のセッションはいかがでしたか?
ティッツェ なにせこだわりがなかったわけですから、高城さんにすべてお任せしました。
ーー高城さんからはどんなアプローチをされたのでしょうか。
高城 最初のカウンセリングの際に、幸子さんは、自分を枠にはめこんでしまうのが苦しい、そこから抜け出すことが難しいというお話をされていて。お仕事関連のお話などを聞いていると、面白いし、すごくユニークな発想をお持ちなんです。でも、自由でいたいのに「自分はこうでなければいけない」と決めつけてしまう。だったら、思い込みの殻を破れるように、ヘアメイクで大胆に変えてもいいですか?と。自然体であることや、ご自身のユニークな発想を受け入れられたり、ワクワクすることを思いきり出来るように、ヘアをバッサリ切って、メイクもはっきりと華やかに見せるようご提案させていただきました。
ティッツェ 今は「そんな自分もいたんだ」という感じです。最近は「やりたいことは全部やる」というところに立っていますね。だから思い悩んだり、以前のように仕事で「これだけ成功する!」という野望を生き甲斐にしていた自分でもなくなり「数字じゃなくていいんじゃない?」と思えています。そこにこだわっていないので、すごく楽です。ユニークだと言ってくださるのも、嬉しいですね。
ーー面白くて、すごく個性を感じる方というのが、今日初めてお会いしてみての第一印象です。
ティッツェ そういう風に言っていただけるのは、外見もそうですが、一緒に内面が変わってきたからなのかもしれないですね。でも、学生時代や社会人になりたての頃「さっちゃんって一番普通だよね」と言われて、それがすごく嫌だったんです。お友達を見て、個性的であることに憧れていて。ある先生も「起業家は変わっていないと!」みたいなことをおっしゃっていたから、変わった人でいたい、でも、どうやったらそんな風になれるんだろうと思っていました。
ーー今のティッツェさんからは、そんな印象を全く受けないです。
ティッツェ 気にしなくなったからなのか、個性が立ったのか立っていないのか、それもよくわからないけれど「別にいいんじゃない」って。今は、私は私と思っているので、人と比べていないです。
高城 その境地に行けるというのは、すごく強いです。
ーーここまで、何名かの方にインタビューをさせていただくなかで「個性とはなんだろう」と考えさせられています。ここに通われている方はみなさん、ご自身のポジションをしっかりと築かれている。でも、自分の個性に関しては、自信が持てているわけではないし、なぜ自分ではそれが見えないんだろうと。
ティッツェ みんなそうなんですよ。私は高城さんとは違う角度から、コーチングでその人の潜在的な可能性を見続け、枠を外すということをしているんですけど、やっぱり自分のことはわからないし、コーチ仲間も「自分のことはわからないよね」と言っています。そういうものだと思う。だからこそ、ここに来て高城さんの言葉を聞いて「自分ではわからないけど、受け取ってみよう」と。そして、あとから「そういうことか」と気付く。
ーーなるほど。ティッツェさんから見た高城さんの良さはどこにありますか?
ティッツェ たくさんあるんですけれども、魅力を見抜く力と、それをメイクやヘアという、目に見えるものに置き換えてくれることです。自分ではわからない領域のこともある。でも、鏡に映る自分を見れば「ああ、いい感じ」とわかるものを作り上げてくれる。あと、視点が物凄く深い。たまに深すぎてわからない(笑)
ーー(笑)。ティッツェさんは人の良さを見抜いて言語化して伝える。高城さんはそれを形象化する。お二人は分野は違っても、近いお仕事をしていると言える気がします。
ティッツェ 高城さんは言葉でも伝えてくれるんですよ。例えばメイクにおいても「目がチャーミングなんです」と繰り返し言ってくれるので、なるほど強調してみようと意識できるようになっていますし、内面についても、ここは幸子さんの強みだと気付かせてくれます。
ーー〈eseence:〉のテーマは「あなたの鏡になります」というものですが、ティッツェさんはこの鏡をとても上手に使われていると思います。
ティッツェ でも、普通の鏡ではないんですよ。私は、トップの方を映し出してきた鏡が欲しかった。高城さんはずっとトップの方を見てきて、その人たちがどんな在り方や行動をしてきたか、そこに触れる時に何を気をつけているのかなど、普段私たちが聞けないような話をしてくださるんです。
ーーここでの時間が、仕事や生活へフィードバックされることもありますでしょうか。
ティッツェ 一緒に仕事をしている仲間はいますが、自分がリーダーとして立っている以上、相談出来る部分と出来ない部分があります。ここで、そういったことを高城さんに心置きなく、利害関係なく話せることによって、色んな気付きがあったりするんですよね。見た目も内面もすべて含めて、ここでの時間がなければ、今の私は絶対にいないんです。
ーー最後に〈eseence:〉にちなんで、ティッツェさんが今思う「本質」とは何でしょうか。
ティッツェ 私たちって、気が付くと何者かになろうとしていて。赤ちゃんはそこにいるだけで愛されて尊ばれるのに、大きくなると「いい成績を取らなきゃ」「結果を出さなきゃ」と窮屈になっていくし、自分が自分であることを否定していってしまう。でも「あるがままでいいよね」というのを本当の意味で伝えていきたいというか。赤ちゃんも素晴らしい存在だし、大人であるみなさんもそう。そうじゃないと思い込んでいるけど、あるがままを認められたら、幸せだし、楽だし。そんな自分が色んなことにチャレンジしていくのを応援していきたいなと、思っていますね。